地域雑誌 「谷中・根津・千駄木」 79号
蟲を探して/やねせん博物誌
2005年3月25日(金曜日)発行 525円
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はっきり言えば日本にはろくな昆虫館がないのである。
国立、あるいは公立の昆虫館などというものは絶望だから、いっそ自分が造る。私の住んでいる場所に因んで名は「千駄木昆虫館」。パリの植物園にある昆虫館に範を取って窓をなくし、特殊な、標本をいためない電灯にすれば、展示のしっ放しでも百年ぐらい標本はもつ。徹底的に楽しい昆虫館を造るのである。ドイツ型標本箱を二百箱ぐらい常設展示して、それを年に二回、できれば四回展示替えするとすればまあ、合計八百箱。一箱に平均五万円かけるとして、四千万円もあれば、一通りの有名昆虫はそろえて人に見せることが出来るだろう。私のコレクションは既にその何パーセントかを達成しているし、問題は建物である・・・。(略)
(一九八六年 奥本大三郎「ファーブル博物館妄想」『博物誌』筑摩書房)
目次─地域雑誌「谷中・根津・千駄木」其の七十九 二〇〇五・春
◎特集/蟲を探して
やねせん博物誌─2
ファーブル昆虫館誕生─奥本大三郎、井上洋二氏に聞く─4
「オオミズアオ」の生存─村岡次郎さんの手紙─12
上野公園にいた虫─小川潔さんとタンポポ─14
谷中の昆虫事情─小川透君の観察のノート─15
河合嗣生さんと歩く、やねせん昆虫記─17
インドの木染めと織物の店「アナンダ工房」─26
ヨシさま来日─伊東清隆さんと鳥─28
偉大なるアオ─高田榮一さんと爬虫類─30
喫茶店「花歩」─34
◎桜/碑銘の記憶
瀧波善雅と桜樹苗寄贈の碑--興津喜四郎--36
廣群鶴と櫻賦の碑--加藤勝丕--38
◎Mの旅日記
生田春月と生田長江--41
◎おいしい店見つけた
よかしこや今風庵--中濱潤子--44
◎ステンドグラス特集補遺
ステンドグラス探しの習性が消えない--45
ステンドグラス講座--46
小川三知の工房を知る人に出会えた--47
ステンドグラス作家の木村愛さん--48
◎七十六号稲荷特集補遺
消えた稲荷--50
◎電脳コラム3
インターネットで
谷根千創刊号を読もう--守本善徳--51
◎ウーロン亭ちゃ太郎、オペラ落語連続公演を聞く
こいつは春から縁起がいいや--52
◎「誰も知らない」谷根千製作裏話--53
◎斎藤月岑のこと--57
●剪画「屋敷森(千駄木ふれあいの杜)」--石田良介--61
●マンガ「谷根千秘録」--つるみよしこ--63
●碓連房通信--54 ●おたより--58
●谷根千ちず--32 ●編集後記--64 ●お知らせ--65
題字/本郷松しん タイトル文字/川原理子 本文イラスト/仰木ゆず子 助っ人/守本善徳+林美子+小林美幸+仰木亮彦 校正/小野寺由紀子 写植/株式会社スマイル企画 印刷・製本/株式会社三盛社
<表紙/マーメイド|サーモン>
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