巻頭言アーカイブス

なんやかんや5月です。

3・11がまた巡り、それから被災地や原発に関る報道はほとんどなくなりました。
被災地ではきてほしい、忘れないでほしい、といっています。
東京電力福島第一原子力発電所もどうなっているのやら。収束していないことだけはたしかです。そのなか大飯原発が再稼働させられそうです。関西電力はじつに40%を原発に依存しています。

去年の夏、東京では節電が奨励されました。
わたしもアンペアを20下げ、東電に感謝され、しかも何時もの夏の三分の一の電気料ですみました。
朝、早起きして暑くなる前に仕事をする。
クーラーを使わない。窓を開け、団扇とセンスを使う。
水を撒く。ゴーヤや朝顔で緑のカーテンを作る。
よしずや暖簾をかける。自転車で風を切る。靴でなく下駄を履く。
綿より麻がすずしい。タオルより手ぬぐいをまく。昼寝をして、水風呂につかる。

去年の東京の経験を大阪や京都に伝えようではありませんか。
そしていったんもっともらしく消された電気はまたつけられている。
シビックセンターで原発の学習会をしたら、一部屋75本の蛍光灯がつきました。
区役所のこんな無駄遣い、やめてほしいものです。白内障、緑内障の人も多いのに、いつから東京はこんなにまぶしいのでしょう。ニューヨークもパリもまぶしくない、大人の町です。
ろうそく、ランプ、電気スタンドの間接照明をつけよう。
目にやさしい、まぶしくない社会をつくろう!

(森まゆみ)