巻頭言アーカイブス

東日本大震災から4ヶ月が経ちました。

死者の数は1万5592人、行方不明者は5070人(7月19日現在)、今もたくさんの方が避難所で暮らしています。
とんでもない災厄でした。しかし地震や津波は天災ですが、東京電力福島第一発電所の事故は明らかに人災です。海も大地も汚れ、フクシマの人々はふるさとを失い、農業・漁業は打撃を受け、国際的な信用もなくしました。安全・安価といわれたゲンパツはなんと高くつくことでしょう。
想定外とは言わせません。東京電力の責任、また原発を国策としてすすめてきた自民党公明党政権、その政策を継承した民主党政権の責任を私たちは追求します。それに反対しきれなかった私たちにも責任があります。
現在、54基のうち、稼働しているのは三分の一の19基のみ。ぜひこの19基も止め、すべての原発を民衆のちからで廃炉に追い込みましょう。また甲状腺がんの危険にさらされている福島の線量の高い区域の子どもたちをぜひとも安全な地域に受け入れましょう。
根津山の湯は住民の活動にも関わらず残念ながら解体されました。
北上町、雄勝町の被災したスレート瓦は東京駅の屋根に無事使われることになりました。JR東日本の関係各位に感謝いたします。
7月22日から24日、千駄木の「記憶の蔵」や根津教会で住民の実行委員会による「核とわたしと原子力」を開催します。奮っておいで下さい。それではクーラーのないよい夏を!

涼しさよ路地には路地の風がある  文弥

(森まゆみ)