シンポジウム 「それでも異議あり、新国立競技場ー戦後最大の愚挙を考える」

2014年09月26日(金)

神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会
WEB http://2020-tokyo.sakura.ne.jp

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シンポジウムがネットで中継されます。
◎IWJ中継
http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=6


昨年10月、新国立競技場計画について市民の立場から発言しようと「神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会」を結成し、勉強会、署名活動、外苑ウォーク、各関係機関への要望書提出、IOCとの面会等、さまざまな活動を続けてきました。しかしながら、JSCは国民の声を聞こうとせず、9月29日から解体に着手すると発表しました。抗議の気持ちを込めて、解体前としては最後となるであろう、シンポジウムを開催します。9月23日には景観学会で、10月1日には建築学会でこの問題が取り上げられますが、私たちはあくまで広く、市民・住民として共に考えていきたいと思います。ぜひ多くの方のご参加をお待ちしています。

日時 9月26日(金)午後6時半
場所 日本青年館3階 国際ホール
   東京都新宿区霞ヶ丘町7番1号
   マップ
   要申込 : 定員200名、参加費1,000円
   ▼お申込みはコチラから
   http://form1.fc2.com/form/?id=933807
   ▼お問合せはコチラから
   info@2020-tokyo.sakura.ne.jp
   主催:神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会
   
   
内容
【神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会】解体抗議声明  多児貞子

【第一部】引き返す勇気をJSCはもてなかったーー成熟社会にほど遠い日本

「手わたす会」の目的と活動  多田君枝(編集者)
神宮外苑の歴史と景観 調整中 
まるでおかしなコンクール 規制はずし 大橋智子(建築家)
改修という希望 いくつかの案から 上村千寿子(グラフィックデザイナー)
ザハ案の問題点 有害な有蓋施設か、つつましい無蓋か  中村勉(建築家)
久米設計案はなぜ隠されてきたか 渥美昌純(東京にオリンピックはいらないネット)
建築家のモラルと責任 安藤さん内藤さんにいいたい 森山高至(建築エコノミスト)
誰がコストを払うのか  桑原洋一(千葉商科大学)
省庁と議会をまわって感じたこと 多児貞子(神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会)
本当の狙いは神宮外苑開発? 大根田康介(ジャーナリスト)

【第二部】オリンピック後へ向けてーー次世代にツケをまわさないために

オリンピック海外事情、ブラジル、平昌などから、 清水伸子(翻訳家)
アジェンダ21と近代オリンピックの終焉 森まゆみ(作家)
都市計画制度と国の事業手続きの法的問題 日置雅晴(弁護士)
これからが本番だ 中沢新一(人類学者、明治大学野生の科学研究所所長)
霞ヶ丘アパートに住み続けたい 宇井靖子(霞ヶ丘アパート住民)
霞ヶ丘アンケート調査結果 向井宏一郎(和光大学非常勤講師)
近隣マンション住民は怒っている 宇田川滋隆 (シャリエ神宮外苑 管理組合副理事長)
公共スポーツ施設の基本 鈴木知幸(元・2016年東京オリンピック招致準備担当課長)
競技場敷地の歴史と文化財調査 原祐一(東京大学埋蔵文化財調査室)
まともな環境アセスをどうさせるか 原科幸彦(千葉商科大学教授・元IAIA(国際影響評価学会)会長) 
50日しか利用されない沈黙の土木構造物でなく、365日稼働の国際子供スポーツセンター併設に  長谷川龍友(建築家・槇文彦代理)

【神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会】決意声明
  我々は決してあきらめない  日置圭子

……
9月16日「神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会」は国立競技場解体に抗議するため、下記の抗議声明を発表しました。
抗議声明記者会見動画
http://www.ustream.tv/recorded/52730057
【緊急声明】
JSCによる現国立競技場解体工事着手に強く抗議する

新国立競技場計画の事業主である独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)は、解体業者が入札で決まったとして、9月29日より国立競技場の解体工事着手を表明した。当会は現国立競技場を改修して使い続けることが、最善の方法であると主張してきたので、解体はとうてい看過できず、強く抗議する。また、解体入札に当たり官製談合の疑いがあると内閣府に寄せられた苦情が受理されたため、現時点でJSCは施工者との契約も執行停止となっており、これを機に将来に禍根を残さないために立ち止まり、計画を見直すこと求める。

当会へは35000人を超える賛同者がおり、世論調査でも多くの人が現国立競技場の改修を支持している。優れたリノベーションこそ世界に胸を張ってアピールできるはずのものである。

IOCアジェンダ21では、競技場は出来る限り既存の施設を使用する、また、どうしても新築せざるを得ない場合は、地域の制限条項に従い、地域の文化、環境、社会を壊してはいけないと書かれているにも関わらず、JSCはそれを姑息な手段を用いて無視した。そしてまだまだ使える、東京オリンピックをはじめ、数々の記憶を継承する国民に愛された現競技場をいままさにこわそうとしている。ドイツでは1936年のベルリンオリンピックで使われたメインスタジアムを美しく改修して使い続けていることと比較しても、レガシーや環境への配慮という点での後進性は否めない。

現国立競技場は耐震性能が劣るから建て替えると常套句を繰り返すが、そのような危険な建物に多くの人を呼び込んで「さよなら国立競技場」イベントを開催したとすれば、無責任この上ない。現国立競技場は、東日本大震災の直前に耐震改修を終えていた。また、建て替えのもう一つの理由としてあげられるトラックについて、陸上競技場の国際基準では、9レーンは必要不可欠ではなく、日本陸上競技連盟は地下にサブトラックがあればセキュリティ上好ましいといっている。JSCが久米設計に依頼した改修案は、地下にサブトラックを備えたものだったにも関わらず、これを握りつぶし、情報公開を先延ばしにしてきた責任は大きい。

この間、JSCの質問への回答はおそく、情報公開資料は黒塗りで、市民やメディアが参加した公開の場での議論は一度も持たれなかった。そして都民300世帯が暮していた霞ヶ丘都営アパートは、何ら都庁内での公的な書面上の手続きを経ず、「人と環境にやさしいスタジアムをつくるので移転せよ」と一方的な説明をするだけで、協議もせず住民は居住権を奪われようとしている。

以上すべて、高邁なる当初のオリンピック精神に背馳し、オリンピック・パラリンピック開催国として、世界に非民主性、後進性を表明するようなもので、関係者の猛省と真摯な対応を求める。

IOCは当会への回答の中で、当会がJSC、オリンピック・パラリンピック組織委員会とよく協議するように強く求めており、私たちは現国立競技場がたとえ解体されても、神宮外苑の歴史景観を守り、将来の世代に大きな負担を残さない、真に国民の財産となりうるスタジアムの実現を追求していく。また、公共事業のあり方についても情報開示や透明性を高めていくために、活動を続けていくものである。

2014年9月16日

神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会 共同代表
大橋智子(大橋智子建築事務所)
上村千寿子(景観と住環境を考える全国ネットワーク)
酒井美和子(デザイナー・まちまちnet)
清水伸子(一般社団法人グローバルコーディネーター)
多田君枝(『コンフォルト』編集長)
多児貞子(たてもの応援団)
日置圭子(地域文化企画コーディネーター・粋まち代表)
森桜(アートコーディネーター・森オフィス代表)      森まゆみ(作家・谷根千工房)
山本玲子(全国町並み保存連盟)
吉見千晶(住宅遺産トラスト)
 
メール info@2020-tokyo.sakura.ne.jp
ホームページ http://2020-tokyo.sakura.ne.jp


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