No.826
2004年5月12日(水)
昼前に家を出て、ミカコとふたりで三百人劇場へ。「中国映画の全貌2004」、今日のお目当ては孫周監督の『心の香り』。中国南方の美しい町の佇まいを、人々の暮らしぶりを、とても丁寧に、心を込めて描いた傑作。次回の上映は6月6日13時30分です。未見の方はぜひ。
しかし改めて思うのは、自転車ですっと行ける劇場でこういう催しがあり、出勤前にひょいと観れるというのは、本当に贅沢だということ。三百人劇場さんには、本当に感謝です。ほうろうで扱っているチケットも、年々売れ行きが良くなっていて、この地域での中国映画熱の高まりを感じます。
仕事の方は、特別何もない一日でした。夕方になぜか買い取りが集中して、意表をつかれたことぐらいしか、印象に残っていません。あとは、休憩時間に読んだ、槙村さとるの『Do Da Dancin'!』ですかね。
以下、本日の数少ない品出し。
白水社『カラー図解音楽事典』V・ミヒェルス編 3500円
平凡社「太陽」1994年6月号 特集 江戸川乱歩 800円 B
河出文庫『月蝕機関説』寺山修司 600円(初版)
文春文庫『東京十二契』野坂昭如 500円 BC(初版・帯)
ちくま文庫『迷信博覧会』種村李広 600円 B(初版・帯)
<今日店でかけたCD>
『ノヴェンバー・コットン・フラワー』マリオン・ブラウン
これはしばらく探していたCDです。先日ネットのレコード屋で発見したものが、今日届きました。1979年、ニューヨークでの録音。過去の自作のカバーも含め、全曲オリジナル。初めて聴いたのですが、マリオン・ブラウンらしさの横溢した名盤だと思いました。ただ、フリー・ジャズどっぷりの頃に比べると「混沌のなかの美」のようなものが欠けている気はします。レコード・デビュー直後に続けて吹き込まれたバラード「Fortunato」の再演で、特にそれを感じました。
ところでこのアルバム、解説を油井正一が書いているのですが、
「純文学的」作風でデビューしながら、ポピュラーに「転向」したようにみえるマリオン・ブラウンには風当たりが強かった。
などという調子のなかなか面白いものです。純文学と大衆文学を区別していた時代を揶揄しながら(今では川端康成も大薮春彦も共に「作家」である、なんていうフレーズもあります)、マリオンは「転向」などしていない、と擁護していきます。他にも、吉川英治、直木三十五、白井喬二に菊池寛と、およそジャズとは縁のない固有名詞が登場して楽しませてくれますが、正直、それほどの出来ではありません。ただ、こういう工夫、賃仕事として適当にお茶を濁したりはしないところに、油井さんの真骨頂を見る思いがして、うれしくなりました。
このCDを買ったレコード屋さんは、大阪は八尾市の「リクエスト・タイム」。見やすいサイトと親切な対応の、とても良いお店でした。河内音頭の本場にある店舗も雰囲気があって、一度行ってみたいものですが、ちょっと遠いなあ。
(宮地)
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