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日々録   2003年10月
No.734  2003年10月14日(火)

 今日から自宅マンションの外壁工事が始まり、朝も早よから賑やか。仕事柄どうしても夜型の生活になってしまう僕たちには、しばらく辛い日々が続きます。まあ、仕方ないけど。

 仕事の方は早番で出勤。今日も昨日と同じ頃雨が降り出しましたが、1枚のCDのおかげで気分よく働けました。最近出た矢野顕子のピアノ弾き語りのベスト盤『ピヤノアキコ』。神原が買ってきたこのアルバム、まあベストですから知ってる演奏が続くのですが、最後の最後にご褒美が。'76年新宿ロフトでのライブの未発表テイクなのですが、はっぴえんどの「あしたてんきになれ」と「相合傘」の間に童謡「雨ふり」(♪雨雨ふれふれ母さんと蛇の目でお遣いうれしいな)を挿んだメドレーで、これが最高。1曲前の「電話線」の新録とともに何回も何回も繰り返し聴きました。
 
 品出しは文庫中心。下記のものはすべて初版です。

 中公文庫『やまとのふみくら』濱田泰三 編 1000円(帯付き)
 角川文庫『火の文学』中上健次 600円
 集英社文庫『書くに値する毎日』つかこうへい 選 600円
 ソノラマ文庫『蜃気楼博士』都筑道夫 500円
 講談名作文庫『柳生旅日記』『怪傑自来也』 各600円 B

『書くに値する毎日』は日記名作選。鴎外の『独逸日記』から大岡昇平の『成城だより』まで、20人の日記が少しずつ収録されています。稲垣足穂も植草甚一も筒井康隆もちゃんと入ってます。山田風太郎はないけど。これと、ほうろうでも売っている『日記日和』(ミニコミ『物数奇』別冊。700円。モクローくん編集)を揃えれば、日記入門としてはほぼ完璧でしょう。

 夜はアオキとサントリー・ホールへ。アルゼンチン生まれの大好きなピアニスト、マルタ・アルゲリッチの呼びかけによる「アルゼンチン救済チャリティコンサート」。ネルソン・フレイレとのモーツァルトの連弾にはじまりピアソラまで。多彩なゲストを迎えての楽しい夜でした。南米の作曲家のあまり聴く機会のない曲に触れられたのも収穫で、なかでもアルゼンチンの作曲家、ヒナステラの歌曲は印象に残りました(ゲーダ・リヒトの歌とアルゲリッチのピアノ)。また、日曜日のファンホ・ドミンゲスのコンサートに続いてピアソラをたくさん聴けたのも喜び。「ソレダッド」というクィンテットによる演奏はいかにもクラシック畑出身というもので、ピアソラ本人やファンホ・ドミンゲスとは行き方の違うものでしたが、自分たちのスタイルでピアソラを伝導しようという心意気を強く感じさせる熱演でした。偶然続いた2回のコンサートで、合計10曲以上もピアソラの曲を聴きましたが、ダブったのは1曲だけ。『チキリン・デ・バチン』(今日の演奏は前述のヒナステラと同じコンビ)。本国で大ヒットしたこの曲は、こちらで想像する以上にアルゼンチンの人たちの心に浸透しているのでしょうね。

(宮地)

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