No.242
2001年11月29日(木)
めじろ押しの一日。
駒場の東京都近代文学博物館で開催中の「幸田家の人々」に行ってきました。露伴の兄弟、娘の文、その娘の青木玉、更にその娘の青木奈緒という順序でそれぞれの生涯が多くの展示品と共に簡潔にわかりやすく紹介されていました。
「幸田家の人々」の内容もさる事ながら、近代文学博物館の建物も感動的でした。かつては前田侯爵邸だったというゴシック変型様式の洋館をそのまま生かして使われており、そこは慌ただしい日常からまったく隔離され、時間が止まったようなまるで異次元。気高くも派手さのない重厚な造りは、圧倒的な存在感でそこにいる人間を内包してくれました。
でも、谷根千ねっとの掲示板(10/7付)によると廃館もしくは休館が決まりそうだとの事。東京にずっと居ながらこの博物館の存在を知らなかったことが悔やまれます。これからは余計なものを作るよりはこういう技を尽くした美しい建物を大切にして使っていくべきだと強く思います。
この展示は12月2日までであと僅かですが、お時間のある方は是非ともお運びください。(無料です!)日が暮れ始めた頃建物を出て遠くから見ると、公園の大きな樹々に囲まれ周りは赤や黄色の落ち葉の絨毯、とんがった屋根の上には夕月が浮かび、窓に温かい灯りが点った古い洋館はまるで童話の世界でした。
その後、下北沢へ出ようと住宅街をてくてく歩くと松蔭学園を少し過ぎたところで、「十二月文庫」と木の看板の掛ったこれまた絵本から出て来たような小さくて素敵な古本屋さん。ウインドウの向こうで男性二人がテーブルに着いている。(どうやら珈琲も飲めるらしい・・・)着膨れした私達がズカズカと入るのも一瞬ためらわれたがこれも出会いだとドアを開けると、静かに流れるクラシックがまたも私達を別世界にいざなう。木の本棚、飾られたアンティークの小物たち、そこにある全てがしっくり手に馴染みそうな体温を持っている。扱うのは古本とクラシックのアナログ盤。同業者としてはあまりの雰囲気の良さに軽い目眩を憶えながらも、とろけてしまった。宮地は諏訪優/著『アレン・ギンズバーグ』、私はS・トムスン/編『アメリカ・インディアンの民話』を購入。もちろん珈琲も戴いた。とても美味しかった。お店をやってるのは私達と同世代のさくさくした雰囲気の女性の方。また行きたいお店。
思わずお金を使ってしまったけれど、素敵なお店の発見で気分良くまた下北沢に向う。
そして、この先私たちを待ち受けていたものは・・・
(アオキ)
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