No.230
2001年11月13日(火)
人を寄せつけないような荒涼とした地質に渇ききった青い空、二ヵ月前テレビ画面に映し出されたアフガニスタンの風景は生ぬるい文明人の私の心を奪った。しかし、画面に出てくる人々はトーブ姿に似合わぬ機関銃を構え聖戦に昂揚していたり、故郷を追われ国境を目指す難民ばかり。本来は、文明人には想像できない、土地に合った静かな暮らしがあったはずだと思うと、テレビを見るたび胸が痛む。
そんな折、11月7日付け朝日新聞朝刊、読者からの「声」の欄でアフガニスタンが舞台の数少ない絵本『せかいいちうつくしいぼくの村』のことが書かれているのを見つけた。読んでみたい、そしてどうせなら新刊で店に置いてみようと思い出版社を調べて電話した。ポプラ社だった。
結果は三回たらい回しにされ、三回とも一から説明させられた挙句、にべもなく断わられた。 うちの店は取次との取引きがないので難しいことは知っている。でも、児童書を出してる出版社だから情が通じるかもしれない、という微かな期待は見事に踏みにじられた。はーあ、歯車グルグルな出版社。まぁ、どうでもいい。
遠回りしてしまったけれど、どうしても読みたかったので今日図書館で借りてきた。
『せかいいちうつくしいぼくの村』絵と文/小林 豊
1995年に書かれたこの本は、著者の小林豊さんが1885年頃戦乱の続く
アフガニスタンを旅した時に出会った人々や村がモデルになっている。
毎日ニュースで見る荒々しい景色ではなく、美しい色彩で描かれた村は
春になれば花が咲き乱れ、夏にはあんずやすもも、さくらんぼを家族み
んなで収穫する。しかし、主人公の少年ヤモの兄さんは今年はいない。
戦争に行ってしまったから。父さんとバザールに果物を売りに行ったヤ
モは、戦争で足をなくした人に会って、兄さんのことが急に心配になっ
てくる・・・
家族で読める本です。ニュースでは見えないアフガニスタンの人々の本来の暮らしが見えてきます。文京区の図書館にはもう一冊『ぼくの村にサーカスがきた』も置いてありましたので、手にしてみてはいかがでしょうか。
(アオキ)
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