No.222
2001年11月5日(月)
深まる秋、というよりは、もう冬の色の寒さ。
先日の日々録でも宮地が書いたように、今秋はルーマニア生まれのラドゥ・ルプーの演奏会に行きました。
もともとクラシック音楽は自分とは違う世界だという思いが強く、宮地と一緒になるまで殆ど耳にすることはありませんでした。
唯一のチャンスだったのは小学校低学年の頃、ピアノを習いたくて近所の教室の門前まで何度か母を引っぱっていったことはあるのですが、今からは想像できないくらい小心者だった私は発表会というものにとてつもない恐怖を感じていて、結局門をくぐることが出来なかったのです。そんなこと今思えばどうにでもなるのに、もったいないことをしました。そんな過去が余計に私とクラシック音楽を遠ざけていたのかもしれません。(な、訳ないか。)
でもこの何年かは、宮地がそばで聴いていれば自然と耳にする機会も増え、年に一度くらいは演奏会に行くようになったのです。でも、まだ馴染めない感も強くありました。
ところが、今回のルプ−とイギリス室内管弦楽団の『モ−ツァルト協奏曲の夕べ』では一番安い舞台後方の席、というのも幸いして(これまでに行ったのは舞台から遥か遠ーい席)彼のピアノを弾く手元や指揮する時の表情、そして何よりも息づかいが聴こえたのに親しみを憶えました。ルプ−さんは、ずっと「ウーーー」と唸りながら演奏するのです。(始めはそれがわからなくて、変なお客さんが歌ってるのかと思った。)
知っている曲だったということも更に輪をかけたのか、この演奏会では初めて気持ちが高まる(!)という経験をしました。まるで山本容子さんの銅版画のように、ピアノやらヴァイオリンやらの楽器達から音の精たちがどんどん生まれてきて、舞台の上空を楽しそうに舞い踊ってるようでした。音が目に見える感じ!
そんな訳で、クラシック音楽と私の間の壁が崩壊した記念すべき演奏会になったのであります。
(アオキ)
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