[ 森まゆみ講演 「東京の路地裏、古き良き時代の町と今」 / 情報トピックス ] のページコメント

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宮坂公啓(みやさか きみひろ) 2003年11月24日(月) 23時46分
森まゆみさんの講演 「東京の路地裏、懐かしさの根拠」(11月23日)について、少しばかりの感想:
 失われた東京の風景、失われ行く東京の風景の写真や絵が次々に紹介される中で、なぜ、かつての東京の風景は失われ、また失われて行くのだろうか?ということを会場で考えさせられました。
 風景が失われた原因は森さんも指摘していたように、一言でいえば高度経済成長ですが、この高度経済成長の引金になったのは、都市への人口集中に伴って生じた地価の高騰や土地問題ではないでしょうか。会場では、やや感傷的に過去を振り返る場面が多かったようにおもえましたが、私は、次のようなことを考えていました。
 「懐かしさの根拠」は、かつての生活が「場所や土地に根付いた生活」であったからだとおもいます。ところが、高度経済成長以降は、とくに円高が始まった1985年以後の低金利政策によって株高起き、異常な土地高からバブル経済の崩壊へつながった時代に、私たち都市に住む者の生活は土地を離れることを余儀なくされ、時を同じくして地球規模の環境まで見直さなければならなくなり、あまりに"遠くに来てしまった今"から過去を振り返ると懐かしく思えるのではないでしょうか。見かけの経済の豊かさを求めた代償が、失われた風景とも言えましょう。
 幸い、景気は悪くなったものの、地価は下がり、人口は高齢化するものの減少傾向に入ったようですので、ひょっとすると、これからは土地や場所を見直し、風景を造りなおせる良い時代が来るかもしれません。
 また、高齢化社会では、生きている内は変らない風景の中で過去を回想しながら自分の人生を反芻できる時間を持つことが、豊かな生活であると一般社会の人が考えるようになるかもしれません。
 会場では、平嶋カメラマンの独り言のような解説が時には眠気を誘い、一部の聴衆は辛抱たまらず席をたっていたようでしたが、ふりかえると、聞く辛抱を要求されながらも、聴衆に考える時間を与えるフシギな、" 美術館という場所"にふさわしい講演会だったようです。私は主に住宅の設計にたずさわる者ですが、おおいに参考になりました。
                     −以上、ご参考まで−
 
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