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くまのかたこと

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2月22日、2月23日、2月24日、2月25日、2月26日、2月27日、2月28日

2月22日(日)
ビルマ国境の町。この前も行ったから800バーツはらってタチレックへいくことはせず、市場など見て、お寺からビルマ側を眺望した。
午後、チェンセーンへいきゴールデントライアングルをクルーズしてラオスの村に上陸する。子供たち観光客に物乞いすることを覚える。手を出すからこちらも手を出し物乞いする。そうすると笑って逃げていく。椿の花みたいなのの芯を拾い集めているので手伝ってあげる。それにしても貧しく、われわれはみんな地球という星につかの間現れたうたかたではあるが、せつない。夜遅い便でバンコクへ。

2月23日(月)
午前中、プルンチットの足裏マッサージにいく。昼、60年代の学生運動家でいまはNPOで環境問題をやっている方と食事。海に近い家に今度は遊びにきてくださいとのこと。そのあとカオサンあたりをぶらぶらして、夕方屋台のおかゆを食べてバスで空港へ。おかゆやはいいなあ。やり手のお母さんは小さな子を路上で遊ばせながらおかゆを売る。いっぱい20バーツ、玉子入りは30バーツ、モツを入れると40バーツ。ネギとショウガはどっさりくれる。
韓国の慶州、朝鮮の人と結婚した日本人女性のケア施設ナザレ園を見学した帰り、近くのどじょう粥の店に行った。きれいなホテルみたいな施設で世話されているおばあさんより、いまも現役のおかゆ屋のおばあさんの方がずっと元気で明るかった。金儲けした方がぼけない。私も死ぬまで体を動かして働きたい。

2月24日(火)
成田、無事戻る。37度の万国で開いた毛穴で0度の東京へ。調子悪し、とにかく鮓が食べたい。食べたおわったらヤマサキから連絡があって今日は取材がてらいいなげやさんでうなぎだって。守本さん、中浜さんなどいつものメンバーでやぐらで2次会。いかん、休まなければ。

2月25日(水)
本のゲラは来ているのに、まだ別の雑用、短い原稿にかかっていててをつけられず。毎日新聞の鈴木琢磨記者取材に。今時の新聞記者としては珍しい面白い人なのでつい焼き鳥屋で飲んでそのまま、ヤマサキにもあわせたく谷根千に引っ張ってくる。悪女の深情け状態で迷惑したと思う。

2月26日(木)
税金の計算もしなくてはならぬ。一番苦手。あんなに遊んでいたわりに、それに不況の割に、去年と同じくらいだからマアよしとせねば。
ドコモの携帯充電器がなくなり(数回目)探し歩く。機械って不便。やっと新しいFAXの使い方覚えた。

2月27日(金)
一日しごとっていうわけにもいかないので、夕方雨だけど西洋美術館にルーブルの内覧会にいく。入り口でレセプションをやっていて赤ワインとか見えたけど、中川大臣してはいけないので、まず見て、帰りによろうと思ったらもうボトルは全部からだった。好きな絵が3枚あった。帰りに桜木町の関さんと三崎坂の野池さん
にお悔やみにうかがう。野池さんではお寿司をごちそうになってついおしゃべりをしてしまう。関さんはホントに立派な、人情と理性の両立した今時珍しい日本男児でいまも声や表情が蘇る。

2月28日(土)
午後、金沢大学に西和夫先生の最終講義を聴きにいく。神大といえば常民文化研究所、宮田昇先生や網野善彦先生とも長らく調査などされてきた。
私は文化庁の視察などでどのくらい西先生の門前の小僧をやらせていただいたか分からない。たくさん優秀なお弟子さんがいて、日本中でいいしごとをし、そのネットワークがあるという珍しい研究室だ。

森まゆみ

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