2月8日（日）
鎌倉温泉にみんなで行く。Iターンもいいけれど、村には契約という互助組織があって、寄り合いや冠婚葬祭のつきあい、草刈りやどぶ掃除なども大変なようで、どこぞに畑や家を持つより、クラインガルテンを借りている方がらくだとみないう。一泊５２５０えんなり。宿にある「三国志」の漫画を読む。おもしろい。

2月9日（火）
スキー場へ。２０年ぶりくらい。そりを借りて滑る。といって脱ぐ方が好きな私はスキーの装備なんかつけるのはまっぴらごめん。でもむかしよりスキーも短くなり、着脱も楽になったような。帰り、とおがった温泉にはいり鴨そばを食べる。豆乳ソフトもおいしい。柿干し上がっている。

2月10日（水）
レストラン緑山のご夫婦と山形にそばを食べにいく。上ノ山にて斎藤茂吉記念館と生家をたづね、共同浴場に入る。夜中の読書。「森鴎外と日清・日露戦争」。

2月11日（木）
佐藤一郎さんのところで手打ちそばを食べる会。北上より熊谷秋雄さんもホタテを持って駆けつけてくれる。日本で唯一の茅葺き屋根を手がける会社のオーナーだが、ホントにユニークな人、わたし酔っぱらう。

2月12日（金）
青葉豆腐で凍み豆腐造りの体験。ようこさんに駅まで送ってもらい帰る。アラタニス、批判の投稿あり。官僚たたきのの尻馬に載るのでなく、なんて投稿してくるのはもしかして官僚ではないかな。パソコンの投稿は名も立場も名乗らなくてずるい。前回、ハケンをやめて職人になろう、と呼びかけた時も、それでは抜本的解決にはならないなんてしたり顔の批判があったが、別に全員に職人になれと言ったわけではない。ちいさな可能性を探らずに一般論をいう馬鹿が世の中を悪くすると思う。世の中には男尊女卑を抜けきれず女性の書いた文章におせーてやる式の高みからのいちゃもんをつけて来る人も多くていやだ。もちろん、批判の自由は誰にでもありますです。受け止めるのもやぶさかではない。

2月13日（土）
１３日の金曜日。松田妙子さんに会いにいく。ド迫力の女傑で眺めているだけで楽しい。二人でブランデーあけながら歌って踊ってしまった。

2月14日（日）
雑用諸々。ゆうがた、出版希望の大学４年生に会う。なんとなく本が好きというだけで、敵を研究もしていないし、自分のスキルを磨いてもいない、という感じ。もちろん自信をなくしかけている若い人に打撃を与えるほどわたしは非教育的ではない。励ましつつ、おどかす。適性があるか、競争に耐えられるかどうかよく考えるようにという。本が好きで、まじめで、おとなしい、だけでは編集者はつとまらないんだから。

森まゆみ