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くまのかたこと

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2月1日、2月2日、2月3日、2月4日、2月5日、2月6日、2月7日

2月1日(日)
シベリアのあとがき。新雑誌「もくろう」の入澤さんから頼まれたエッセイ。木の机について、スゴく難航。入澤さんもこの調子で書いていては大変かもという。
この次は違うスタイルを考えよう。入澤さんとは整体の先生が一緒なことがわかり、パジャマ姿でばったりはいやですねえ、という。本当のベテラン編集者でこの雑誌も面白くなりそうだ。

2月2日(月)
3時に谷井澄子さんと青山で会うが、はなしの面白さにまた時の立つのを忘れる。父上が日本郵船、おじいさんが東京海上の社長という名家だが、そんなことどうでもいいわの芝居好き、母と同じくらいのお年だが、若いこと、小栗旬の追っかけだそうな。阿部七重さんと麻布十番のあたらしい韓国料理にいってみる。盛りつけがきれいで少しなので「物足りないわね」と言ってたらあとは怒濤のごとく出て食べきれない。七重ちゃんは「婦人公論」から今度、お相撲の雑誌に移るので名著「力士漂泊」を勧める。モースと松浦佐用彦について谷根千に書く。

2月3日(火)
サトコ曰く、私のことしかしらない人まで私を「こちら森まゆみさんのお嬢さん」なんて紹介する。イヤンなっちゃう。で、ときどき相手が「は?」とかいって、お母さんを知らない人がいて、うれしい。私は私とだけ見てほしい、という。あたりまえのはなしだ。
ヒロシ来る。さんざ勝手な夢を語り、お寿司だけ食べて撮りにきたもの忘れて帰る。この日、句会。前回はしゃぎすぎたので今回はさらりとした句を作ってみたら全然点がはいらない。気に入ってたのにな.坂崎さんがおいでにならずさみしかった。

2月4日(水)
今日は新連載「一枚の繪」に長谷川利行を書く。圧倒的に好き。伝記をまるまる一冊書きたくなる。夜アンチヘブリンガンで岩田氏とのむ。彼の母方の先祖はカラス組の細谷十太夫なので、早乙女貢の小説を読まなくちゃ。そういえば早乙女さんもなくなられた。ある会議で、参加しながらさらさら原稿を書いていらしたのを憶い出す。

2月5日(木)
「うえの」のアーサー・ビナードさんのエッセイが楽しみ。今号ではBoston tea partyについて書いてあった。わたしも茶会事件と教わったけど、お茶会なんてなくて、イギリスの支配におこったアメリカ人独立派がイギリスからきた紅茶をボストン湾に捨ててしまった事件。アーサーさんはむしろボストン茶一揆の訳の方が気に入ってるという。たしかにちょっとかわいいし、パーティーはもちろん党派も掛けている。ついでに一党がモホーク族に扮装したというのも教えた方がなお印象的。

2月6日(金)
念願の丸森。白菜とネギとふきのとう。夜、なんでもできる佐藤一郎さんとご飯食べてお話。丸森には山菜採りができ、キノコを見分け、川で鮎を釣り、野菜を育て、各種酒を仕込み、味噌を造り、そばを打つ。山に登ればスキーもするという万能人が多く、都会の才子なんか足元にも及ばないかっこいい男が多い。イチローさんもそのひとり。

2月7日(土)
昨日の残り物で一日、坂の上の雲をよむ。寒い。必ず喉を痛める。

森まゆみ

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