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くまのかたこと

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11月17日(月曜日)

紅葉の盛りだが寒い。由布院ははじめてという高校の大先輩を案内する。亀の井別荘で開かれていた唐津の陶芸家土平さんの皿を譲ってもらう.
若い作家の楽しいうつわも。金融崩壊いらい,貯めるくらいなら使おう,と思ってしまう。夕方清水さんのフローラハウスで日比谷図書館から借りてきた
「東京タワーはわが息子」上映。構造の権威、内藤多仲が東京タワーを語るというレアものだが,この「東京のこだま」というシリーズは土本典昭や羽仁進も監督していてチェックの要あり。今日は司会として出演した谷井澄子さんも来て下さった。これは2台でずっと取っていたこと。生の時代は失敗は許されず、
それなのに出演者は言うことを聞かず自由に振る舞うので司会者はたいへんだったこと。何度もリハをしたのに延々しゃべり続ける出演者の袖を引っ張ったらテレビにそれが映ってしまったこと。独身の若い女性アナより生活経験の有る主婦をということでNHKの「婦人百科」などに起用されたこと。その時代の江上フジさんという女性の局長がバックアップしてくれたこと。料理のなべの中を上から移す工夫や,書道家の文字を画面にそのまま写す技術などを開発したスタッフのことなどテレビ草創期の体験をいろいろ語って下さった.そのあと「あの時だったかもしれない」をみる。私の大学での同僚であった,文京ケーブル立ち上げからの知り合いであり,いっしょに「地方の時代映像祭」を運営してきた村木良彦さんの追悼番組。村木さんは自分を多く語らない、誠実な紳士であって、彼の作った作品などもこの是枝さんの作品ではじめて見ることができた.くしくも60年代,テレビとは何か,映像とは何だったのかを問われる夜となった.

森まゆみ

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
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