朝、ホテル８階のプールで泳ぐ。だれもいない。独り占めの贅沢．
ペニンシュラも午後のハイティーだけは行列だが、ブランド品アーケードはガラガラ。

行ったことのないところに行ってみようと,地下鉄を乗り継いでSyau Kei Wan　というところにいく。
昔の漁村だそうで、もう十分通勤圏でアパートも多いが市場の安いタオルにおばちゃんたちが群がり、さかなの干物を売っていたりして、都心よりのんびりしたところであった．
いくつかの廟をめぐり、魚市場にいったりして、商店街の安い店で定食を食べた．魚の清蒸がおいしい。編み笠だけと白菜のスープもおいしい。それからWan Chai　の歴史的建造物を見てまたスターフェリーで帰ってきた．

夜は香港大学の中野嘉子さんとお友達の二人とどこかのクラブでお食事。日本でいえば日本郵船みたいな会社のクラブでオーナーの集めた古書や美術品がずらり。
北京ダック、海鮮の炒め物、豆腐、豆苗の炒め物、冬瓜のスープ、すべておいしい。ダックは日本のように皮だけでなくたっぷりにくも付いていて、しかも残ったのはクワイと細かくきっていためてレタスにつつんで食べる．これまた美味しかった．
おひとりは香港ポストの編集長、おひとりは田崎真珠におつとめで、わたしより一回りくらい若いし、じつに仕事もできるようであった。「香港では誰も国籍も学歴も性別もきかない。仕事ができれば雇われる。なんでも合理主義で明快です」とのこと。彼女たちから見ると日本は官僚による規制ばかりで社会主義に見えるらしい。多くの論点には同意できたが、香港が金儲け至上主義の格差社会であることも事実のように見える．とにかく二人ともアパートは２０階以上、高所恐怖症のわたしには住めそうもない。

森まゆみ