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くまのかたこと - 旅の宿編

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佐渡相川 新ふじ(2004)

海に面した二階建て旅館で、建物はやや古びて見えた。部屋もそう。
ところが夕食に目をむく。おんなもずく、海ブドウ、かんてん、刺身、お吸い物も海藻。ほんとうに土地のものばかりでおいしかった。酒は真稜。何よりも旦那さんとおかみさんの人柄があったかい。「もとはといえば父は漁師をやってて戦争でシベリア抑留になって帰ってきてから、町中の旅館が売りに出ているから買わないかと。そこで何年かやってから海辺に新築しました。いまさら建て直せないので、せめて料理をよくしようとして工夫してます。今、磯釣りはクロダイ、マダイ、沖ではブリです。海ブドウが佐渡でとれるなんてみなさご存知ないでしょう。」ここの海ブドウは沖縄より小粒だがうまい。

磯づたいに行くと磨崖仏も刻まれている。6月5日は相川の宵の舞で、笠をかむった行列が集落の中を踊って歩いた。相川郷土資料館では佐渡に伝わる裂き織りの伝承を取り組んでおり、丈夫で美しい裂き織りのバッグなどが気安い値段で買える。

森まゆみ
2004年7月30日(金曜日)公開

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