!新谷根千ねっとはコチラ!

くまのかたこと - 旅の宿編

<-前へ  次へ->   一覧に戻る
 
天草 群芳閣ガランヤ(2003)

インターネットでたまたまとった宿。ビジネスなら8000円という。すこしはり込んでイセエビの刺し身つきにしてもらった。姉妹二人でやっていて、料理はエビづくし、天領アジの刺し身もあって食べきれない。
下田温泉というのは肌がつるつるになる。明治の末、与謝野鉄寛、北原白秋、木下杢太郎、平野万里、吉井勇の5人がここを旅し「五足の靴」という旅行記を書いた。この宿はそれを大事に思って、私の泊まったのは「吉井勇」という部屋である。お風呂に「妻をめとらば才たけて・・」の鉄寛の歌があってつい川音を聞きながら歌ってしまった。夜、タイマッサージに来てくれた女性は大学の卒論で「天草の禁教時代」を書いたそうで、キリシタン悲話や土地の古い話にくわしく、揉まれながらなんだかしみじみしてきた。

森まゆみ
2004年7月2日(金曜日)公開

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
このworkは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下でライセンスされています。
ページトップへ