!新谷根千ねっとはコチラ!

くまのかたこと - 旅の宿編

<-前へ  次へ->   一覧に戻る
 
対馬豊玉町 小綱 民宿綱島

豊玉町の北、入り江の小綱地区では、対馬一という夕日が綱島に沈むのが見える。空港で「今からタクシーで走れば夕焼けに間に合いますよ」といわれたがタクシーの運転手が道に不案内で、民宿のおばちゃんは真っ暗な中心配して待っていてくれた。
対馬特有の太い梁、釘を使わないべんがら塗りの建物。おばちゃんはすごく働き者でおじちゃんと一緒に漁もいくし、畑仕事もしながら民宿家業で子ども3人を大学に通わせた。「この家はタイやヒラスで建っとるちゃ」と言う。
夕飯はイカの煮物、サザエのつぼ焼き、イカとヒラスのコリコリした刺身など食べきれず。急な客にイシダイの味噌汁にサザエご飯まで作ってくれたのである。「わたしゃ手が早いっちゃろう」。
おじちゃんは5時過ぎに寝、主もないのに近所の人が何人か来てガッハッハの宴が深夜までつづいたのには驚く。それなのに朝7時には、みりん干しを焼き、手作りの塩うにまで出してくれた。国民栄誉賞を差し上げたい人だ。

森まゆみ
2004年6月18日(金曜日)公開

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
このworkは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下でライセンスされています。
ページトップへ