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くまのかたこと - 旅の宿編

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対馬巌原 オーシャンホテル

対馬空港のレンタカー屋のおじいさんが親切で、「面白い所へ泊まってみませんか」と紹介されたのはここ。韓国人旅行者が多く、入るとハングルの貼り紙のみ。部屋はオンドルで清潔。丘の上にあり、あまりがらんとしているので心配したが釜山出身の韓国人オーナーも力強く、一人でがんばるお姉さんも親切。
夕食は町まで送迎してくれ、おすすめの店へ。携帯の充電コードが買いたいというと電器屋にも連れていってくれた。
その夜、月影は海上に輝き、イカつりの漁火がまたたき、満天の星。息をのむ美しさ。ピータイルの上で眠り、ふとのどが渇いて起きると、朝日がまさに海からのぼるところだった。これほど美しい夜の海、朝の海を眺めたことはあるかしら。4800円(三人で泊まれば2900円)がもうしわけない。お茶、紅茶、コーヒーのパックも用意され、朝は時間があるからと、雨森芳州の墓まで送ってくれた。いつまでもこのままでいてほしい宿。

森まゆみ
2004年3月29日(月曜日)公開

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
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