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くまのかたこと - 旅の宿編

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尻焼温泉 関晴館別館

群馬の奥の方に、川底から温泉がポコポコ湧き出し、川がそのまま風呂になっているところがある。お尻が焼けるから尻焼というらしいと人に聞き、また無謀にも春先、3人の子どもを連れて行ったら寒かった。

川は旅館からすぐのところに流れていた。水位の高いときと低いときではかなり様相は異なるだろうが、その時は岸辺までいっぱいの川から湯気が立っていた。私はさっそく丹前と浴衣を脱ぎ捨て、ジャボンと入ってしまったが、小学生の子ども3人は恥ずかしがって入らない。ずいぶん広いから他のグループの顔も見分けられないが、底の熱い湯の上に春の雪解け水が流れてくるので冷え、「奥さん、こっちに来なさいよ、温かいよ」と岩かげの熱いたまりを確保しているどこぞのおじさんたちと混浴。旅の恥はかきすてです。この印象が強くて宿の部屋や食事のことも忘れてしまった。

森まゆみ
2004年2月9日(月曜日)公開

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