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くまのかたこと - 旅の宿編

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紀伊白浜 万亭(2003)

紀伊白浜はイメージ通り明るいところ。もと祇園の一力茶屋の別荘だったというのを土地の財閥小竹家が買い取り旅館とした。小高い山の上にあり、玄関を入ると左手に初期の装飾コンクリートと思われる撞球室がある。

通された部屋は3階で、はるかに海を見下ろし、円月岩がみえる。運がいいとあの岩の間に落ちる夕日が眺められるとのこと。こげ茶色の太い柱と梁とくみあわせ、八畳間に広い縁側と床の間付きで、調度も民芸風。一品ずつ出てくる食事はすばらしく、鯛のカルパッチョとか、冷しゃぶ、ことにナスの上にフォアグラをのせた料理は最高。布団ももうしぶんない。風呂は小さい方は庭に向けて広く、窓をあけて落ち着ける。大きい方は換気扇の音がうるさく露天の目かくしが目障りだった。屋根もついていて露天とはいいにくい。仲居さんのたまり場がちょうど部屋の
前で古い建物ゆえバタバタ走りまわる音が難点。こんな高い宿に泊まることはめったにないが25000円は納得ゆく。朝刊も持ってきてくれた。白浜駅前の夫婦でやっているネギ焼きの店がなつかしくおいしかった。

森まゆみ
2003年10月17日(金曜日)公開

関連リンク http://www.aikis.or.jp/~mantei/

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