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くまのかたこと - 旅の宿編

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奥飛騨 平湯温泉の大正海上の寮(1985)

私自身は零細会社に少ししか勤めたことがないので、会社の厚生施設の恩寵を受けたのはわずかしかない。その短いOL生活で同僚だったチエコが大正海上勤めのハタさんと結婚して、家族ぐるみの旅行に誘ってくれた。

大企業の保養所っていいなあ、と思った。いや、施設が豪華だったのではない。たまたま管理人夫妻に人を得たということだろう。こじんまりして清潔な寮で、お風呂も立派。忘れられないのは夕食。ちまちま何品も無内容なおかずが並ぶということはなく、一日目はどおんとイノシシ鍋だった。芋の団子のようなものが実に美味。二日目はどおんと石焼きで、熱した石の上で厚い牛肉や野菜を焼いて食べた。そして上高地へ足をのばし、新穂高温泉の巨大露天風呂に総勢十人でつかって楽しかった。

森まゆみ
2003年10月7日(火曜日)公開

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