仙石原にススキを見にいきたいと思って硫黄温泉のよい萬岳楼を予約したが、台風でいけなかったことがある。再び期して湯本から登山電車に乗り、そこからバスを乗り継いで仙石原までいった。途中、強羅ホテルでチョコレートケーキと紅茶を味わった。のんびりしていた。

萬岳楼は家族経営のようで、玄関だけでも相当に広かった。改築が済んで部屋は真新しく風情はなかった。食事もまあ普通の鍋料理。ただし風呂は最高だ。私は温泉は無色透明なのより、濁って硫黄臭い方が何か体に効く気がする。ここのはピリッとするほど酸っぱかった。いろんな内風呂をハシゴして、爆睡。都心からこんなに近いところに、こんな宿があるのは恩寵のようである。

森まゆみ
2003年10月1日(水曜日)公開

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