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くまのかたこと - 旅の宿編

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岩井 民宿あめや

岩井は初めて行ったのは小学校2年くらいで、それから毎年のように行ったから懐かしい思い出が多い。道を横切るサワガニ、田園のあおい稲、真っ赤なカンナやグラジオラス、鋸山の登山、海の家のサザエのつぼ焼き。

小学校の臨海学校も岩井だった。岬から岬まで遠泳した。大学へ入ると春休み合宿が季節はずれの民宿を安く借りて行われ、読書会の合間に夏みかんの山をよじ登ったり、砂浜でビーチバレーをした。

あめやは文京区の国民健康保険の提携する民宿で、子どもが小さいころよく行った。何しろ当時、2000円ちょっとで泊まることができた。路地の奥、芝生の庭、戸外のシャワー、アロエ、そしてボリュームあって心のこもった夕食、とうれしい宿だ。午前中泳ぎ、帰って来ると、おじさんおばさんが育てたトマトやキュウリがどっさり出て、頼んでおくとカレーライスやちらしずしも作ってくれる。夕方は防風林に守られた漁師の集落をそぞろ歩き、近くの店でかき氷を飲み、浜辺で花火。と夏の正しい過ごし方ができる宿である。

森まゆみ
2003年8月13日(水曜日)公開

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