志太温泉 潮生館(2003)
静岡新聞は部数72万部で、地方紙の中ではもっとも多く、勢いがある。仕事が終わって、焼津の「黒潮」という居酒屋で記者さんたちと意見交換会。カツオのへそ、マグロの目、桜えびなどを肴に地酒「磯自慢」を傾け、楽しかった。泊まりだけは近くの志太温泉を勧めてくれた。ついたお宿はうっそうとした森の中に離れの点在する潮生館。玄関から長い廊下を折れたり木の橋を渡ったり。
仲居さんも丁寧だし、温泉もよかった。その昔は皇族、犬養木堂、日本に人質になっていた李朝の末裔李垠なども泊まったという。でも何分、部屋の扉は木目の張り板、壁も昭和40年代ころの金砂(きんしゃ)入り、とありがたい古さとはいえない。仲居さんも「あんまり古すぎてびっくりするでしょ」といっていたが。まあ話のたねに泊まるのはおもしろい。お風呂はさっぱりして古風で落ち着けた。朝食付き9600円でした。
森まゆみ
2003年7月10日(木曜日)公開
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