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くまのかたこと - 旅の宿編

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ヒュッテ・クヌルプ (1976)

茅野からバスで一時間ほど山に上った霧ヶ峰にあるヒュッテである。霧ヶ峰も場所によっては騒々しいが、このヒュッテの周りは静かだ。

学生時代に恋人と出かけ、木造の小さな宿の二階で、ずっとローラ・インガルス・ワイルダーの「大草原の小さな家」シリーズを読んだ。まったく、この本に出てくるような家だった。

布団も縞の木綿、風呂はちっちゃくて順番、夕食はカレーライス、ランプがともる。この家は大工さんのご主人が自力建設下とか。夏の終わりで車山はマツムシソウで青紫に染まっていた。忘れられなくて、次の年はヘルマン・ヘッセ「クヌルプ(漂泊)」を携え、再訪した。その時はニッコウキスゲで山は黄色だった。

森まゆみ
2003年5月7日(水曜日)公開

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