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日々録   2004年12月
No.922  2004年12月20日(月)

先週ひょっこりと顔を出してくれたふじわらいずみさんと、今日料理の本と岡崎京子の漫画をたくさん買ってくださって、いい店ですね、と褒めてくださったお客さんが、潰れないように頑張ってください、と励ましてくださった。どちらも、潰れないように、という言葉を使ったのが気掛かりだけど、棚を見て、あるいは、うちの空気を感じて、好いなと思ってくださるお客さんがいるのは嬉しいことです。

さて、ブックオフができてひと月。
やはり、影響はあります。日々読みの漫画や文庫などは。
ふつう出し(均一でない)の漫画も文庫も値段的には必ずしもブックオフが安いというわけではないですが、「今夜読む何か面白そうな本」は、ブックオフの105円の棚にあれば事足りるわけですから。京太郎や内田康夫に代表されるような日々読みの本については、覚悟の上でもあるので、今後のうちの努力次第だと思いますが、買取りについてが、悔しかったり、残念だったり。
ともかく宣伝効果というものを実感しました。いかんせん、うちはその対極でやってきたわけで・・・。

その宣伝負けしてるうちの店としては、持込まれた本を見て、ブックオフではじかれた(値段がつかなかった)ものだな、と解ってしまう時が、悲しい。あぁ、うちの方が高く買えたかもしれないのに、と、心の中で叫んでるんです。
事例数は少ないですが、協力者などから得た情報では、文庫や漫画も含めて必ずしもブックオフの買値が高いわけじゃない。
マニュアル通りなのでしょうが、あの店舗で、大勢の従業員を抱え、家賃も払い、利益を上げる、というのは、かなり大変なことだろうと(うちに言われたかないだろうが)思われます。文庫や漫画は、売れ筋ではない限り、ふつうで売れたらウハウハ、105円に下げてもきちんと利益があがるようにに設定している筈ですから、当然買値も押さえられているでしょう。
ただし、その数少ない凡例によると、当たり前ですが、ブックオフの方が高く買うものがあります。例えば、恋愛がうまくいく本とか、スニーカー文庫とか、古いけどピカピカに状態のいいビジネス書とか。あとは、想像ですが今だと「冬ソナ」関連とか。
少しでも本を高く売りたいが、これまで古本屋にあまり縁がなかったという人の場合は、そういった見極めが難しいだろうと思います。買取りというのは、査定額に納得して初めて取引きになるのですから、古本屋からすれば、他の店と比べられるのはゼンゼン気にならないことです。ですから、うちはブックオフと比べられても嫌な気持ちはしないし、それもまたひとつの情報として役立たせられます。むしろ、納得して売っていただくことが大切ですし、私たちも嬉しい。気軽に訊いてもらえれば、どちらに売った方が得かということも、わかる範囲でお答えできます。
逆に、その辺を見極めて持ってきてくださったり、ブックオフに行ってきたのだけどと自己申告され、うちの査定額で納得してくださったときは、お客さんからは見えませんが、嬉しくて足元は小躍りしてます。
この辺に全くなかったブックオフができたことで、これまで本を売るなんて考えなかった人たちが、ちょっくら行ってみっか、という気持ちになっている時だと思うので、これもいい機会となるように、人件費が格段に低い古書ほうろうは、相変わらずぬらりとしつつも、しぶとくやってみようと思っています。
まぁ、自分だってそうですが、新しい店ができれば試してみるのが人の情ですから、もう少ししてみないとというところです。

好影響もあります。
テキメンに効果があったのは、ほうろう4人のケツに火がついたこと。こんなに働いた覚えない、というくらい、今、私たちは働いてます。これまで、動かし難いけど売れなかった本なんかも、バンバン均一にまわして、秘蔵の在庫を片っ端から出したりしてるので、今、店はかなり充実しているはずです。だったら、前からもっと働けよ、って話ですが・・・。
わたし個人的には、今年に入った頃からなんとなくマンネリな感じになっており、これじゃ、いかんなぁと、空気を混ぜっ返す意図もあって、モクローくん感謝祭をお願いしました。お陰で、ちょっとだけ外の世界に触れ、それがほうろうを客観的に眺めるきっかけとなり、閉じかかった視野がこじ開けられたのでした。だから今の状況は、いろいろ思っただけで結局何もしなかった、といういつものパターンに終わらずに済んでるという点で、非常に功を奏しています。追い込まれるのも、時には大事と思って、これからもほうろうらしく模索し続けたいと思っています。

さて、今日の話に戻りますが、週末の買取りの中にいつもよりたくさん料理の本がありました。ウインドウを見てくださったのか、日々録を読んでくださったのか、たまたまなのかはわかりませんが、自分が力を入れている棚の中でも、ブックオフに持込まれそうな確率が高いですから、料理の本は。ここひと月は、自分なりに叫んできたつもりなので、とても嬉しいです。次回ウインドウ担当の神原に頼んで、本来は明日の定休日に入替えのところを、も少し延長させてもらい、買取った中から『吉兆味ばなし』(一)と『アフタヌーンティーのメニュー・ブック 1981ー1988』を追加。
『吉兆味ばなし』は、装幀花森安治。
『アフタヌーンティー〜』は、本当はすでに一冊持ってるのですが、フラミンゴ・スタジオがらみなので、この期に及んで逡巡してました。
わたしが高校生の頃、初めてパルコの「アフタヌーン・ティー」に入り、カフェ・オレを頼んだら、おドンブリで出てきて気後れした、あの頃。サザビーグループなんて再先端で、勢いがあって、憧れての的だったあの頃。イラストこそ出てきませんが、テリー兄さんたちは、雲の上でこんな仕事してたんだ・・・。遊び心溢れるフォントづかいとか、カッコいいレイアウトとか、あの時代の楽しさがビシビシ伝わってきて、うらぶれた古本屋をつかの間女子高生に戻してしまうほど刺激的です。ぜひ、ご覧ください。

とても長くなってしまいましたので、今日はこの辺で。

(ミカコ)

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匿名2004年12月21日(火) 22時03分
>ふつう出し(均一でない)の漫画も文庫も値段的には必ずしも >ブックオフが安いというわけではないですが、... かなり息の長い文章が、憤りというか、地団太を踏んでいる感じというか...伝わってきます(笑)。 細々と応援し...
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