!新谷根千ねっとはコチラ!
[ 書く ]
日々録   2004年3月
No.805  2004年3月20日(土)

本日観てきた映画を紹介します。

ドキュメンタリー『戦場の夏休み 〜小学2年生の見たイラク魂〜』
監督・撮影 吉岡逸夫 →YOSHINET
渋谷UPLINK FACTORY 
3月26日(土)まで
3/22(月)18:30の回上映終了後 吉岡忍氏×吉岡逸夫氏の対談あり

2003年の夏休み、小学2年生の風美ちゃんはお父さんとお母さんとイラクに行ってきました。
お父さんは新聞記者。開戦前にもイラクへ取材に行っていました。その時の様子は前作の『笑うイラク魂 〜民の声を聞け』というフィルムになっています。お父さんはその時に出会ったイラクの普通の人々が、戦争が終わってどうしているか、また会いたいと思っていました。そうしたらお母さんが、「あなたの現場での姿を風美に見せたいし、ちょうど夏休みだから一緒に行こう。」と言い、家族で行くことになったのです。

そう、これは本当に風美ちゃんの去年の夏休みの記録です。

吉岡氏はこれまでの戦場の取材を通し、読者のニーズに合わせた取材というものに、ジレンマを感じていたそうだ。実際訪れた開戦直前のイラクではほとんどの人々がいつもとかわらぬ暮らしをしていた。そのような現実を目の当たりにしても新聞ではスペースの都合などで伝えられない。しかし伝えたい。そんな思いから前作の『笑うイラク魂 〜民の声を聞け』は撮られた。そして、今回上映されている『戦場の夏休み 〜小学2年生の見たイラク魂〜』がその続編である。床屋のにいちゃんや、風呂屋のおっちゃん。私たちとおんなじふつうの人たちがフセイン政権下と、その後でどんな風に変わったか。それとも変わらなかったか。無事だったか。
開戦前に行ったという鯉の塩焼きが名物のレストランは空爆を受け廃墟になったままだったり、ホテルなどの破壊された建物を見ると戦争の乱暴さが伝わってくる。が、被害を受けなかった大半のふつうの人々は、ライフラインの不自由はあるものの、やっぱりふつうに暮らしているようだ。「お前、この前と言ってることが違うじゃないか」と吉岡氏に突っ込まれた時の、ギョロリと大きな目をパチパチさせ、シマッタ、という表情が印象的。彼らにはなんともいえない愛嬌がある、と同時に一筋縄でいかないようなしたたかさを感じさせる。こんな人たちを相手に、あんな単純構造のブッシュ的アメリカに勝ち目はないだろう。
風美ちゃん自身は、摂氏50度に達する暑さにも順応し、人懐っこいイラクの人々に初めはカチカチに緊張していたものの次第に打ち解け、孤児院を訪れた時には一生懸命世話をやいてくれる子供たちに勧められ、それまで慣れなかったイラクの食べ物も口にした。

短いニュースや新聞の限られたスペースでは感じ取ることができなかったイラク。吉岡氏が伝えたいイラクのふつうの人々とその暮らし。
私なんかは、カーッとなっていた頭がちょっと冷やされるような感じがしました。冷静になった上で、やっぱり、自衛隊の海外派遣反対、戦争反対を訴えていこうじゃないの、と思いました。

エクスナレッジ 『イラクりょこう日記』 1500円
現代人文社 『イスラム銭湯記』 1600円
上記の吉岡逸夫氏の著書は、古書ほうろうでも新刊で取扱中です。

(ミカコ)

最新

2006年
10月
9月
8月
7月
6月
5月
4月
3月
2月
1月

2005年
12月
10月
9月
8月
7月
6月
5月
4月
3月
2月
1月

2004年
12月
11月
10月
9月
8月
7月
6月
5月
4月
3月
2月
1月

2003年
12月
11月
10月
9月
8月
7月
6月
5月
4月
3月
2月
1月

2002年
12月
11月
10月
9月
8月
7月
6月
5月
4月
3月
2月
1月

2001年
12月
11月
10月
9月
8月
7月
6月
5月
4月
3月

最新 2004年 12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月 RSS
ページトップへ
無名子2004年3月21日(日) 05時20分
 日々録、いつも楽しく拝見しています。  今日、本屋さんでオマル・ハイヤームの『ルバイヤート』を陳舜臣さんが新訳したものを見かけて考えたこと。 『ルバイヤート』は、酒の賛歌みたいな、韻文の詩集です。ごく普通の人が、例えば、ふと眼に入...
長いコメントは省略して表示しています。このページのコメントを全部読む