No.295  2008年9月2日(火)

不安定な天気が続きます。夜になるとまたゴロゴロと雷が鳴って、雨がドバーっと降るのではと、毎日ビクビクしています。
金曜の夜、家族揃って麻婆豆腐だの野菜炒めなど久しぶりに食事らしい食事をした後、それぞれテレビを見たり、パソコンをしたりすごしておりました。
そこに雷が鳴り始め、ああ、また豪雨。と思っていたら、午後１１時、突然停電。
それぞれが携帯電話の明かりを頼りに集まってきた。（懐中電灯も用意がないが、携帯を皆が持っていて、そのペンライト機能をすぐに使えるのが若い世代。携帯はあってもライトに気づかないのは私）
地域で停電したのかと外を見ると、チラホラ明かりが見える。
うちだけ?　それともマンションに雷が落ちた?
廊下は明るい。
うちだけか。
さあ、配電盤はどこ？
仮住いのため、誰も知らない。
脱衣所の壁を探したり台所をウロウロしたり。
結局、玄関のコート掛けの後ろに隠れていた。
要領オーバーならブレーカーを上げればすむのだが、黄色いボタンが出ていたから漏電ではないかということになった。
復旧方法が配電盤の裏に出ていたので試したが、パチンとスイッチが収まってくれない。
代わる代わる試してみるが駄目。
しょうがない。
次男が近所の１００円ショップで懐中電灯を買ってきた。アイスも。
あゆみには提灯アンコウの形のペンライトを買ってきた。
そう、夏休みが後２日に迫り、最後のレポートの追い込みの最中だったのだ。
先日お祭りで買ったあのピンクの光るツノのヘアバンドと、提灯アンコウを頭のてっぺんからぶら下げ、その光を頼りにレポートを書いている姿は笑えた。

みんなでアイスを食べ、そのうちすることがなくなったからと、小学校の校歌を大合唱。
次は運動会の紅白に別れの応援の歌。
赤赤赤ゴーゴーゴー、もーえろよもえろ、赤ー組。
こんなときに歌う歌か。
「こういうときに出来ることは一つ、お母さんの腰を揉むことでしょう」と言ってみても誰も返事をしない。
長女はスヤスヤ。

そのうち、冷蔵庫のものが解けてしまうから、やっぱり何とか電気を復旧させたいと思う私。
土曜は朝から出かけるので、時間はないのだ。

何とか電気復旧させようよ。
手を尽くして駄目なんだから、朝になれば明るくなるさ。
でもまた夜になれば暗いじゃないの。
暗かったら帰ってこなければいいだけだよ。
そんなこと言って、ちっとも直らないじゃないの。
もういいよ、外行ってくる。
雨の中ジタバタして、転んで怪我しても知らないよ。

子どものほうが冷静だ。
小止みになったので、すぐ近くの交番に駆け込んだ。
「停電なんですが、どこか復旧に来てくれるところ教えてください」
というと、お巡りさんは分厚いチョッキを着ていて、「ガスや水道は来てくれるだろうけど、停電は来ないんじゃないの？」と言いながらも、タウンページを広げ、「停電でお困りの方」という欄から東京電力の電話を紙に書いてくれた。
家は暗いので、ここで電話してもいいですか?
「停電でお困りの方は３を押してください」という案内で、やっと繋がった。
復旧の仕方を教わり、とりあえずやってみることになり帰宅。

黄色いボタンを押しながらスイッチを入れる。
配電盤のスイッチを一つずつ入れる。
あー、ついたー。歓声が上る。
と、バチン。また切れた。
そこの回路が漏電しているようだ。
大丈夫そうなところは普及し、東京電力マンを待つことにする。
丑三つ時に東電マンは来てくれた。
「ご迷惑をおかけします」と頭まで下げてくれる。
あなたのせいじゃないのよ。
漏電を調べるテスターを使って調べる。
バチンと切れるそのスイッチの先は、ベランダを照らすライトだった。
そこら辺りから水が入ったかして、切れたらしい。
やはり犯人はこの豪雨だったのだ。

そのラインは、和室や寝室のテレビの電源となっているコンセントでもあったので、そこだけはオフにして、とりあえず東電マンは帰った。
今晩はこの手の漏電や停電が多く、まだまだ仕事は終わらないという。
こんな夜中に他人の家の停電を復旧させるために、雨の中を仕事している人がいた。

そして、子ども達が暗がりで光る携帯を掲げながら歩く姿は、新しいパフォーマンスの様でもあり、不思議な光景だった。