No.217
2006年4月3日(月)
映画「かもめ食堂」を観に行った。
フィンランドで一人食堂を営んでいる日本女性の話。
なぜ、この人がヘルシンキにいるのか、などという細かいお話ではない。
食堂を開店したけれど、お客は誰も来ない。
でも必ず人が来ることを信じて毎日コップをピカピカに磨いている。
最初に来た客は日本かぶれの青年。
この人は、最初の客なので、お金もとらなければ永久に只の客。
店主のサチエさんは心を込めて淹れたコーヒーを毎回嬉しそうに運んでくる。
なかなか客はこなかったけれど、ある日、シナモンロールのにおいにつられて地元のおばさん三人が来店。
それから徐々に人が店に出入りするようになる。
食べることは万国共通なんだ。
映画の中で、食事を作るシーンが何回も出てくる。
しょうが焼きに、分厚いとんかつ、焼き鮭、おにぎり、玉子焼き、シナモンロール。
どれもうまそう。
店のメインメニューはおにぎりで、味は鮭と梅とおかか。
たっぷりとご飯を手にとって、真ん中に鮭を入れ、三角に握って海苔を巻く。
自分でいつも作っているのに、人がおにぎりを作っている姿でもうたまらなく食べたくなる。
朝から食事作って、食べさせて、片付けて。
ちょっと家族に文句を言いたくなっていた私だが、この映画を見たら、ふっきれた。
フィンランドに、訳ありで旅している二人の日本女性との出会い、そして会話もおもしろい。
もしかして、まだあの人たちはヘルシンキの町でかもめ食堂をやって、毎日おにぎりを握っているのではないか。
サチエさんは体が華奢だがしなやかで、それでいて芯の強い人。
来るもヨシ、去るのもヨシ、あくまでも自然体の人で、好感が持てた。
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