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一年生日記  2002年8月
No.66  2002年8月30日(金)

とうとう夏休みもあと2日。
今年、あゆみは朝顔の観察記録も、追い立てるほどの宿題もなく、親もボーっとしておりました。
ところが最後の週になってあわてだしたのが、読書感想文。
本を読むのはこの夏の努力目標にしたが、感想文を書くところまでいった本はない。
さあ、何読む?
家の本棚から選べば?
かつてお兄ちゃんやお姉ちゃんがお世話になった沢山の本。
最初手にしたのは、恐竜が主人公の本。
これは瑞樹が恐竜好きで買った本だ。
しばらく読んでいたが、「やっぱりこれはだめ」という。
なぜか。
恐竜の名前がカタカナで出てくるたびに覚えなくちゃいけないから。
次は「エルマーの冒険」。
これは長いから今からは読めない。
そうだ、「初めてのキャンプ」にしたら?
「まあ、いいけど」。
ということで、読み始めたらあっという間に終わりました。
ところが原稿用紙を前にすると何も書くことがないという。
「だって何も感想ないんだもん」
「じゃあ、あゆみが今年の夏キャンプに行ったときの事を思い出したら」
などなどいろいろやり取りがありました。
最初の日、一枚目の原稿用紙の半分。
まだ感想は出てこない。
二日目、自分の行ったキャンプのことを書く。
まだ感想は出てこない。
二日目の最後に二枚目の頭で、「た。」で終わったきり、次が出ない。
突っ伏してしまい、何も感想なんかないよー。
「何でもいいんだよ。感じたこと書けば」
そこへ長男、「今考えてんだよな」
「お母さん、あゆみの性格を考えて作戦立てないと」という。
そこに次男「俺だって夜中に二時間かけて作文書いたんだからがんばれ」と発破をかける。
それでも何もかけないとジーっとしているあゆみ。
そこに父親。
「まず、感想文を書く前に、いろんな感想文を読ませるといいんだけどな。感想文なんか、すらすら書ける人はいないよ」という。
わかるけどさあ、感想文なんか読んでいる暇はないよ。
三日目、「もう感想文書くのやめたから。出さないからね」
「ああそう」と、しばらく放っておくことにする。
今日も「感想文は?」と聞きたいところだが、心理的に追い込むのはまずいかな、と抑える。
色を塗っていなかった工作を完成させる。
四日目、今日は気分がいいらしく、「花」をピアノで弾いてみたいから教えてくれと言い出す。
何度かやって弾けるようになるとますます調子よくなり、鼻歌まで出る。
言ってみるか?
「感想文片付けちゃおうか?」
「うん」
「でも、お母さん見ちゃだめだよ。昨日考えたところまで書いてみるんだから」
「わかったわかった、私も本読んでいるんだから見る暇ないよ」と、関心のないふりをする。
あっという間に1ページ書き上げ、ますます絶好調。
漢字も使っている様子。
イヤイヤやった二日目の半ページだけ、筆圧も強く、何度も書き直したあと、字も乱れているのがよくわかる。
「別に3ページ全部書かなくてもいいんじゃないの」と言ってみるが、「3ページ全部書くんだから」
と意志が固い。
「思いますって、田んぼの田に心って書くんでしょ」
「そうだよ」
いよいよ感想が出てきたぞ。
3枚目の終わりで5字ほど足りなくなり、欄外にはみ出して終了。
いやあ、終わったねえ。
よかったよかった。
なほちゃんもキャンプに行ってお姉さんになったけれど、あゆちゃんも感想文を自力で書き上げてお姉さんになれたね。
うれしそうな、得意そうなあゆみの顔は2日目とはまったく違った表情でした。
こちらも内心ほっとしたのでした。








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